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プランナー(企画)

プランナーになりたい!という人は大勢います。 自分の考えたゲームが現実のものになるのは、非常にワクワクすること ですね。私も学生の頃、自分のゲームが作りたいと夢見て、ゲーム業界に 入ったクチです。

しかし実際にプランナーになってみて、どうっだったのかというと…? まず、いきなりゲームデザインをする立場になって、企画書をあげ、 仕様書を書き、スタッフに作業をしてもらう…立場にはなれません。

仕事ですから、自分がいったいどんなゲームを作って、どうプレイヤーを 楽しませたいのか?それを一緒に作るスタッフに伝える必要性が あります。

どうしてその素材が必要なのか?なぜその個数なのか? そうすることでどうゲームが面白くなるのか?そういった、説明能力が 必要なんですね。

企画書をプレゼンするときに、うまくそれを説明する必要があるわけです。 説明する能力、伝達するコミュニケーション能力、前にも言いましたが 「ホウレンソウ」、これがうまくできているか?

それが充分できるようになるまで、企画アシスタントをすることになります。 単純作業をしたり、ゲームのサブ的な要素を企画したり、アイデア出しを したり、調査をしたり、スクリプトを何百と書いたり…。

いわゆる「下ずみ期間」です。 書類についても、「面白そう!」と思わせる企画書をうまく書けるか、 「作業がスムーズに進む」漏れのなくダブりのない、ミッシー(MECE)な 書類を書けるか?そういう点が、プロのプランナーとして評価されます。

プランナーには、まだ役割があります。 これは見落とされがちなのですが、「スタッフの士気を維持する」という 非常にメンタル的な仕事です。

スタッフにはさまざまな人がいます。短気なのもいればのんきなのも いるし、協力的な人もいれば、すぐに怒る人もいます。

そういった人たちを調整しながら、ゲームが最後まで作り上げられるまで、 「やる気」が落ちないよう、維持していかなければなりません。 驚くほど人間的な力のいる役割です。

こうした面も、プランナーは磨き上げていく必要があります。

プロになってから

さて下ずみ期間を経て、プロのプランナーになりました。 ここまで、おそらく3年くらいはかかるでしょう。 メインプランニングをできる、ひよっこプランナーです。

仕事は、下ずみ期間で経験していますが、お金を出すクライアントの いる仕事と、自社で作る自社ブランドの仕事があります。

やっと自分のゲームが作れる!そう、そのチャンスが巡って くるときもあります。

クライアントによっては、「女性とロボットを入れて」という ような、明確にゲームデザインや世界観設定を指定してくるところも あります。いずれにしろ、クライアントがいる仕事は、なんらかの 条件がつきます。

しかしその条件も、厳しいところもあれば、緩くて「SFだったら なんでもいいので、提案して欲しい」みたいなところもあります。 そんなときはチャンスですね。

どちらかというと、大手の超大物ゲームを下請けで引き受けたり、 シリーズもののゲームを受ける以外は、「提案して欲しい」と 言ってくるクライアントのほうが多いと思います。

これは結局のところ、会社間の繋がりが関係していて、 私が在籍していたところはセガの系列会社の仕事が回ってくることが 多かったように思います。

バンダイやスクウェア・エニックスの仕事も回ってきていましたが、 それぞれ要求してくる訴求点が違っており、クライアントに合わせて 企画書の内容を微妙に変更する…なんてこともありました。

企画書を複数用意し、クライアントに合わせて別々のものを出す… なんてことをしている人もいました。

コンペ(コンペティション:競争)で、他の会社と企画書の内容で 競争させられる(させてもらう?)場合もあります。 この形式は会社の上下関係がはっきりするので、あまり評判は よくなかったですが…。

自分のゲームにこだわるなら

自分の考えたゲームにこだわらず、ただ「よいゲーム」を作りたい のであれば、下りてくる条件が厳しかろうが、緩かろうが、あまり 関係なく、ゲームをいかに良くするか?それに集中し、ゲーム開発に 従事すればよいでしょう。

あくまでプランナーとしてのオリジナリティを出したい、ヒットを 作りたい、自分なりに面白いゲームにこだわりたい!というので あれば、開発会社は基本が保守的ですから、やはりそこで人間的な 力が重要になってきます。

PSとセガサターンが競合していたころ、飯野賢治氏がゲーム内容を 大きく変えようとするソニーに嫌気が差して、サターンに鞍替えした ことがありましたが、自分のゲームにこだわるには、それほどまでして 自分の主張を押し通さなければなりません。

飯野氏は社長でしたし、有名でもありましたから、ああいった強引な やり方ができましたが、一平社員で自己主張するのには大変な負荷が かかると思います。

それでもなお、ゲーム会社で自分のゲームを作りたい、というので あれば、処世術を駆使しつつ、スキルを認められて出世するか、 やはり自分で会社を作って「大きな方向性」を自らコントロールする等 の、オプション(選択肢)を自分で選択する必要があります。

私はゲーム業界でけっこうな数のゲームを作りましたし、メイン プランナーも何度か経験しました。

そこで思ったのは、純粋に自分のゲームを作りたいのであれば、 独立の道を選んだほうが早いし、確実だということです。

社員として会社にいれば、給料も安定するし、年齢で決定権を 持った立場に立つこともできます。そうすれば、自分が作りたいゲームを 作ることができるでしょう。

しかし、あくまで「純粋な」自分の作品という意味では、 雑多な仕事やクライアントの仕事もこなさなければいけないので、 一生涯の中で作れる自分の作品に限界が出てきます。

それよりは、独立し、小さくてもいいので、自分の作品を 作り続けるほうが合理的です。会社が大きくなれば、作れる作品の 規模も大きくなるでしょう。

社長になれば、つきあう会社もある程度選べますし、会社としての 指針を示して、作るゲームの方向性も自分でコントロールできます。

社員のままでは、コントロールできない事柄が多すぎるのです。

あなたが生涯をかけて自分の作品を1つ残したい、という純粋さが あるのであれば、独立することも選択肢の一つです。

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